もっとも確実な基準は、出発前に決める「引き返し時刻(ターンアラウンドタイム)」です。「この地点に何時までに着かなければ、山頂の手前でも引き返す」と決め、守ります。ほかにも①天気の悪化(雷鳴・強風・視界不良)、②体調不良やケガ、③予定より大きな遅れ、④道の状態が想定より悪いときは、迷わず引き返すのが原則です。
引き返し時刻の決め方
たとえば、下山完了を14時、山頂からの下りに3時間かかるなら、山頂の引き返し時刻は11時です。11時に山頂の手前にいても、そこで引き返します。
引き返すべきサイン
引き返せない心理
- 「せっかく来たのに」という気持ち(交通費・休み)
- 「あと少しで山頂」という思い込み
- 仲間に「やめよう」と言い出せない
これらは誰にでも起こる心理です。だからこそ、判断の基準を出発前に決めておき、その場の気分で変えないことが大切です。
グループで判断するコツ
- 「やめよう」と言った人の意見を必ず尊重するルールにする
- 一番体力のない人のペースで判断する
- リーダーは、時間と天気を声に出して共有する
山は逃げません。引き返した山は「また来る楽しみ」が残ったと考えましょう。何度か引き返した経験は、判断力のある登山者になるための大事な財産です。
出発時刻とコースタイム、日没の時刻から、引き返す時刻を逆算できる下山時刻の計算ツールも用意しています。