山のグレーディングは、登山ルートの難しさを体力度(1〜10の10段階)と技術的難易度(A〜Eの5段階)の2つの軸で表にしたものです。長野県の「信州 山のグレーディング」や、山梨県の「山梨 山のグレーディング」などがあります。表の左下(体力度が小さくAに近い)から右上へ、段階的に経験を積むのが安全なステップアップの方法とされています。
体力度:ルート定数から決まる
体力度は、コースタイム・距離・登りと下りの標高差から計算する「ルート定数」で評価されます。山梨県が示す式は次のとおりです。
ルート定数=コースタイム(時間)×1.8+ルート全長(km)×0.3+累積登り標高差(km)×10.0+累積下り標高差(km)×0.6
登りの標高差の係数が大きく、登る高さが体力の負担に大きく効くことがわかります。
技術的難易度:道の状態で決まる
| 段階 | 道のようす(山梨県の説明を要約) |
|---|---|
| A | おおむね整備され、転んでも滑落の心配が少ない。道迷いの心配も少ない |
| B | 急な登り下りや分かりにくい道がある。転倒が滑落につながる場所もある |
| C | はしご・鎖場・雪渓・渡渉がある。地図読みと、鎖場を越える体力が必要 |
| D | 厳しい岩稜、不安定なガレ場、やぶこぎ。転落の危険箇所が多い |
| E | 厳しい岩稜が続き、転落の危険箇所が連続。高度な判断力が必要 |
使うときの注意点
- グレーディングは無雪期・天気のよい日が前提で、冬山は対象外とされています
- 雨や強風の日は、同じルートでも難しさが大きく上がります
- 体力度と技術的難易度の両方が自分の経験の範囲内か確かめます
- 登山口までのアプローチ(林道歩きなど)が含まれていないこともあります
経験者向け:自分の山行を表に並べる
これまでに登った山をグレーディング表に書き込むと、自分の経験の「範囲」が見えてきます。次の目標は、体力度か技術的難易度のどちらか一方だけを一段上げるように選ぶと、無理のない挑戦になります。
出典・参考:山梨県「山梨 山のグレーディング」、長野県「信州 山のグレーディング」解説資料(2026年11月時点で確認)